脈々と [奏]
「この子は怪我するから保険に入っとけ」
どこでもジャングルジムにする活発な私をみかね、母に祖父は言った。
わかってるね、じいちゃん。
生傷は絶えないし事故にもあったけど、大きな怪我はなくここまできました。
夜ご飯のカレーを口の端につけて
そのまま眠り華麗に旅立った祖父。
毎日欠かすことなく夕食の前には仏壇の前でお経をあげていた。
幼少期は祖父母の家にいる時間が長かった私も自然と覚えた。信仰深くはないが、うちの家族は皆お経を唱えられる。
今ある当たり前の基盤を築いてきた祖父たち。知らずに育つのが幸せなことは沢山あるが、決して当たり前ではないことを忘れてはいけない。
先々の家族がお経を唱えられるかは知らないけど、これまで繋がれた命を想うときに唱えられていたらいいな。
私には発声練習にもなっています笑
いつも守られていると思う。
2021-10-14 20:13